2018年08月07日
2018年7月 槍ヶ岳登山 その4
殺生ヒュッテ テント場
【3日目】
今回の登山も最終日。
朝3時に起床、御来光を槍ヶ岳山荘で拝み
そのあともう一回、槍ヶ岳の山頂にあがるかどうか検討する。
身体を暖めるためにコーヒーを入れて飲んでいた。
まわりはまだ真っ暗で、少し寒い。
やっぱりシュラフの温もりが恋しくなって、もう一度シュラフにもぐりこむ。
「昨日登っているし、もういいか・・・」
(ソロなので、このあたりは自由気ままである。そもそもそんなにストイックな方では無い)
予定変更、あっさりと山頂に行くのをあきらめた。
【AM4:30】
テントの中でモゾモゾしていると、少し明るくなってきた。
雲も多く、それほど綺麗な御来光も期待できなそうだ。
それ自体は残念だが、綺麗な御来光を見れるなら山頂に行かなかったことを後悔していると思う。
殺生ヒュッテのテラスから、朝焼けを眺める。この日は雲海も少し控えめ。
しかし景色も良く、爽やかな朝。澄んだ空気を胸一杯に吸い込むと眠気も覚めてきた。
雲海の彼方に富士山がはっきりと見えた。
【AM5:00】
山頂に行く事をやめたので、時間的にも精神的にも余裕が出来た。
朝飯をゆっくりと頂く。といってもフリーズドライ飯、しかもまたカレー。
フリーズドライ飯に文句言ってましたが、決して味は悪くない。
調理は簡単、重量も軽いので山に携帯するにはとっても便利。
しかも野菜たっぷりで味もなかなか、作ってるメーカーさんの努力には頭下がります。
食事が終わるころには、ほぼ日があがっていた。
今日も天気は良さそう。
このあとは例によってゆっくり撤収。
せっかく重く辛い思いしてここまで担ぎ上げたテントなので、景色見ながらゆっくり過ごす事にする。
のんびりしていたら、このまま帰るのが惜しくなってきた。
(日にちに余裕があれば、このテントをベースキャンプにあちこち登れるんだけどな~)
【AM7:30】
重い腰を上げて、ようやく撤収完了。
テント場の前を学生さんの団体が通過していく、小屋前も登山客で賑わしくなってきた。
今日は上高地への下山を残すのみ、下るだけだが約20キロのロングトレイル。
少し、気合を入れなおして出発。
【AM8:20】
振り返ると槍ともお別れ。
あとはひたすら、元来た道を下っていく。
背中に「槍」の印の入ったつなぎを着た山小屋のスタッフさんが私の前を先行して降りていく。
【AM9:20】
“大岩”前。昨日は疲れて眺める余裕が無かった景色を楽しみながら下りる。
とここで少しアクシデント。
先行していた山小屋のスタッフに前を止められる。
どうやら要救助者が出て、これからヘリによる救助が行われるようだ。
すさまじい音を立てて、救助用のヘリが近づいて来る。
上空でホバリングしながら、隊員一名がロープを使って垂直降下。
救助隊員とスタッフさんが要救助者の身体を確保し、隊員の身体と結びつけると、
要救助者は隊員とともにヘリに引き上げられていく。
無事、要救助者をヘリに収容。
この間わずか10分ほど。
目の前で行われた救助活動の迫力と、救助隊員たちの迅速な行動に感動しつつも
改めて登山に危険は付き物と痛感させられた。
後から聞いた話だが、この時の要救助者は骨折をしたらしい。
この日の暑さと疲労で、足を滑らして転倒か滑落でもしたのだろうか?
遠目から見ていた限りでは、本人も自力で動いていたので大した怪我でないことを願うばかりだ。
“大岩沢”
景色ばかり見て転んでもいけないので、足元に注意しながら山道を下っていく。
やはり、ここらへんから気温も上がり暑い。
“槍見岩”
槍見岩とは、正面の尖った山のことかと思っていたが
こちらは“カブト岩”という名前がついていることを知った。
その尖がり度は槍ヶ岳以上。クライミングで登る人もいるのだろうか?
【AM11:40】
槍沢到着。
救助活動による足止めなどあったが、ここまで順調に下りてくる。
槍沢小屋の前に置いてある望遠鏡。のぞくと頂上に立っている人の姿まで確認できる。
肉眼で見ると木々の間から、ちっちゃく槍の穂先が見えるだけ。
(ホント、昨日はここから遠かったもんな・・・)
【PM12:00】
槍沢小屋で昼食。 メニューはやっぱり、うどん。
私の中でカレーとうどんは山小屋飯では定番。しかも、この日は冷やしうどん。
「つめたくて美味しい~!」
熱中症対策?で冷たくてしょっぱいスープを最後の一滴まで飲み干した。
槍沢までおりてくれば、あとはなだらかな下り道が待っているだけ。
標高を下げた分、気温が上がってきて暑い。
何度か、冷たい清流に飛び込みたい気持ちになる。
【PM14:30】
横尾山荘、到着。
距離が長く疲れてきたので、こまめに休憩をとる。
ここまで下りて来て、この山行で初のコーラ。
熱中症対策でポカリスエットばかり飲んでいたので、炭酸が喉にしみて美味い。
ペプシが帽子とサングラスと同色だったので一緒に写真を撮った。
登山で使うサングラスとグローブは、ダイエットの為に乗っている自転車(ロードバイク)と兼用。
(自転車もサボっているので、相変わらず体重は落ちてないけど・・・)
“横尾大橋”
休憩がてら周辺を散策。
この橋を渡ると涸沢方面。その先には穂高連峰への登山道が続いている。
涸沢ももう30年以上訪れていない、近いうちにまた来よう。
【PM15:50】
徳沢園到着。
昨日の出発地点まで戻ってきた。殺生ヒュッテ出発からここまで8時間20分。
前日の徳沢→殺生ヒュッテの登りが同じ8時間20分かかったので、なんと登りと同タイム!
いかにのんびりと下りてきたのかがわかる。 それと休憩多すぎ。
と言いながら、ここでもちゃんと栄養補給するんだけどね(笑)
見返したら、後半は食べ物ネタばかりですね・・・(汗
もう登山というより、レジャー感が出てきている。
徳沢から、終点・河童橋までは時間にしてあと2時間の距離。
上高地から出る最終のバスは18時45分。(注・夏シーズンの運行時間です)
時間的にはまだまだ余裕がある。
【PM17:50】
ゴールの河童橋に到着!
とにかく長い下りだった。
最後はヘロヘロになりながらも、なんとか河童橋に到着。
もう日が落ちて、いつもは観光客で賑わっている河童橋も閑散としている。
密かに楽しみにしていた、河童橋のたもとにある土産屋のコロッケも
すでに閉店状態で品切れしていたので少し凹む・・・
それでも、河童橋から眺める穂高連峰は綺麗だ。
今回の槍ヶ岳登山の計3日間。よく歩いたし、こうして無事に辿り着く事が出来た。
なんともいえない充足感
(他に、疲労感・空腹感・足裏の靴ズレの痛みなどいろいろあったが)
夕暮れの山の景色を見ながら、
「なんも言えねぇ~」
一人無言で感動に浸る。。。
【PM18:00 上高地バスターミナル】
最終の沢渡・新島々駅行きのバスに乗り込む、乗客は私含めて数人。
この後は安曇野の家で一泊し、翌日の夜に四国に帰宅した。
「天気と暑さに恵まれた、良い登山でした。」
おしまい。
登山レポのまとめ版はこちらのサブブログに掲載しました。
↓
Sun&BlueSky 2nd season
今回の登山も最終日。
朝3時に起床、御来光を槍ヶ岳山荘で拝み
そのあともう一回、槍ヶ岳の山頂にあがるかどうか検討する。
身体を暖めるためにコーヒーを入れて飲んでいた。
まわりはまだ真っ暗で、少し寒い。
やっぱりシュラフの温もりが恋しくなって、もう一度シュラフにもぐりこむ。
「昨日登っているし、もういいか・・・」
(ソロなので、このあたりは自由気ままである。そもそもそんなにストイックな方では無い)
予定変更、あっさりと山頂に行くのをあきらめた。
【AM4:30】
テントの中でモゾモゾしていると、少し明るくなってきた。
雲も多く、それほど綺麗な御来光も期待できなそうだ。
それ自体は残念だが、綺麗な御来光を見れるなら山頂に行かなかったことを後悔していると思う。
殺生ヒュッテのテラスから、朝焼けを眺める。この日は雲海も少し控えめ。
しかし景色も良く、爽やかな朝。澄んだ空気を胸一杯に吸い込むと眠気も覚めてきた。
雲海の彼方に富士山がはっきりと見えた。
【AM5:00】
山頂に行く事をやめたので、時間的にも精神的にも余裕が出来た。
朝飯をゆっくりと頂く。といってもフリーズドライ飯、しかもまたカレー。
フリーズドライ飯に文句言ってましたが、決して味は悪くない。
調理は簡単、重量も軽いので山に携帯するにはとっても便利。
しかも野菜たっぷりで味もなかなか、作ってるメーカーさんの努力には頭下がります。
食事が終わるころには、ほぼ日があがっていた。
今日も天気は良さそう。
このあとは例によってゆっくり撤収。
せっかく重く辛い思いしてここまで担ぎ上げたテントなので、景色見ながらゆっくり過ごす事にする。
のんびりしていたら、このまま帰るのが惜しくなってきた。
(日にちに余裕があれば、このテントをベースキャンプにあちこち登れるんだけどな~)
【AM7:30】
重い腰を上げて、ようやく撤収完了。
テント場の前を学生さんの団体が通過していく、小屋前も登山客で賑わしくなってきた。
今日は上高地への下山を残すのみ、下るだけだが約20キロのロングトレイル。
少し、気合を入れなおして出発。
【AM8:20】
振り返ると槍ともお別れ。
あとはひたすら、元来た道を下っていく。
背中に「槍」の印の入ったつなぎを着た山小屋のスタッフさんが私の前を先行して降りていく。
【AM9:20】
“大岩”前。昨日は疲れて眺める余裕が無かった景色を楽しみながら下りる。
とここで少しアクシデント。
先行していた山小屋のスタッフに前を止められる。
どうやら要救助者が出て、これからヘリによる救助が行われるようだ。
すさまじい音を立てて、救助用のヘリが近づいて来る。
上空でホバリングしながら、隊員一名がロープを使って垂直降下。
救助隊員とスタッフさんが要救助者の身体を確保し、隊員の身体と結びつけると、
要救助者は隊員とともにヘリに引き上げられていく。
無事、要救助者をヘリに収容。
この間わずか10分ほど。
目の前で行われた救助活動の迫力と、救助隊員たちの迅速な行動に感動しつつも
改めて登山に危険は付き物と痛感させられた。
後から聞いた話だが、この時の要救助者は骨折をしたらしい。
この日の暑さと疲労で、足を滑らして転倒か滑落でもしたのだろうか?
遠目から見ていた限りでは、本人も自力で動いていたので大した怪我でないことを願うばかりだ。
“大岩沢”
景色ばかり見て転んでもいけないので、足元に注意しながら山道を下っていく。
やはり、ここらへんから気温も上がり暑い。
“槍見岩”
槍見岩とは、正面の尖った山のことかと思っていたが
こちらは“カブト岩”という名前がついていることを知った。
その尖がり度は槍ヶ岳以上。クライミングで登る人もいるのだろうか?
【AM11:40】
槍沢到着。
救助活動による足止めなどあったが、ここまで順調に下りてくる。
槍沢小屋の前に置いてある望遠鏡。のぞくと頂上に立っている人の姿まで確認できる。
肉眼で見ると木々の間から、ちっちゃく槍の穂先が見えるだけ。
(ホント、昨日はここから遠かったもんな・・・)
【PM12:00】
槍沢小屋で昼食。 メニューはやっぱり、うどん。
私の中でカレーとうどんは山小屋飯では定番。しかも、この日は冷やしうどん。
「つめたくて美味しい~!」
熱中症対策?で冷たくてしょっぱいスープを最後の一滴まで飲み干した。
槍沢までおりてくれば、あとはなだらかな下り道が待っているだけ。
標高を下げた分、気温が上がってきて暑い。
何度か、冷たい清流に飛び込みたい気持ちになる。
【PM14:30】
横尾山荘、到着。
距離が長く疲れてきたので、こまめに休憩をとる。
ここまで下りて来て、この山行で初のコーラ。
熱中症対策でポカリスエットばかり飲んでいたので、炭酸が喉にしみて美味い。
ペプシが帽子とサングラスと同色だったので一緒に写真を撮った。
登山で使うサングラスとグローブは、ダイエットの為に乗っている自転車(ロードバイク)と兼用。
(自転車もサボっているので、相変わらず体重は落ちてないけど・・・)
“横尾大橋”
休憩がてら周辺を散策。
この橋を渡ると涸沢方面。その先には穂高連峰への登山道が続いている。
涸沢ももう30年以上訪れていない、近いうちにまた来よう。
【PM15:50】
徳沢園到着。
昨日の出発地点まで戻ってきた。殺生ヒュッテ出発からここまで8時間20分。
前日の徳沢→殺生ヒュッテの登りが同じ8時間20分かかったので、なんと登りと同タイム!
いかにのんびりと下りてきたのかがわかる。 それと休憩多すぎ。
と言いながら、ここでもちゃんと栄養補給するんだけどね(笑)
見返したら、後半は食べ物ネタばかりですね・・・(汗
もう登山というより、レジャー感が出てきている。
徳沢から、終点・河童橋までは時間にしてあと2時間の距離。
上高地から出る最終のバスは18時45分。(注・夏シーズンの運行時間です)
時間的にはまだまだ余裕がある。
【PM17:50】
ゴールの河童橋に到着!
とにかく長い下りだった。
最後はヘロヘロになりながらも、なんとか河童橋に到着。
もう日が落ちて、いつもは観光客で賑わっている河童橋も閑散としている。
密かに楽しみにしていた、河童橋のたもとにある土産屋のコロッケも
すでに閉店状態で品切れしていたので少し凹む・・・
それでも、河童橋から眺める穂高連峰は綺麗だ。
今回の槍ヶ岳登山の計3日間。よく歩いたし、こうして無事に辿り着く事が出来た。
なんともいえない充足感
(他に、疲労感・空腹感・足裏の靴ズレの痛みなどいろいろあったが)
夕暮れの山の景色を見ながら、
「なんも言えねぇ~」
一人無言で感動に浸る。。。
【PM18:00 上高地バスターミナル】
最終の沢渡・新島々駅行きのバスに乗り込む、乗客は私含めて数人。
この後は安曇野の家で一泊し、翌日の夜に四国に帰宅した。
「天気と暑さに恵まれた、良い登山でした。」
おしまい。
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Sun&BlueSky 2nd season
Posted by god-field at 22:28│Comments(0)
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